スピーカケーブルは極力短く配線するのが理想です。しかし、大規模な設備ではパワーアンプの設置場所の確保、電源配線、保守管理、安全対策などを総合的に考慮するとそうもいかないのが現実のようです。かといって経済性を無視した太いケーブルを使用するわけにもいきません。
そこで一般的なダンピングファクターを基準にした選定例をご紹介します。
ダンピングファクターはスピーカの制動力を示すパワーアンプの性能で、次式で表します。
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スピーカのインピーダンス |
ダンピングファクター = |
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パワーアンプの出力インピーダンス + スピーカケーブルの導体抵抗 |
ダンピングファクターは大きいほうがスピーカの制動力に優れ、歯切れのいい低音再生が期待できます。
この式でわかるように、スピーカケーブルの導体抵抗が大きいとダンピングファクターが小さくなり、いかに優れたパワーアンプでも能力を発揮できません。
そこで音質を重視する場合のダンピングファクターは20〜50以上、スポーツ競技場などスピーチ中心の用途では、ダンピングファクターは10〜20以上を目安にスピーカケーブルを選択します。
下表は、ダンピングファクターが 20 と 50 の場合の、当社製スピーカケーブルの長さです。